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コラム

COLUMN


英語の教科化でなにが変わる?

2018.01.04

英語教育

小学校5年生以上は2020年から英語が必須教科になります。小学校で英語を教科に格上げし、「アジアの中でトップクラスの英語力を目指す」のが目的です。どんなことが変わるのでしょうか?

 

■「英語に親しむ」から「英語を学ぶ」へ

 

小学校ではすでに5・6年生で「外国語活動」として英語の学習が必修化されています。

もっとも「聞く・話す」授業が中心で、教え方は体系的ではありません。あくまで「補助」で、物足りなさを感じる児童もいるようです。

結果として、中学校において音声から文字への移行が円滑に行われていな状況もあるといわれています。

 

日本の学校教育では、高校まで、あるいは大学までずっと勉強しても英語が話せないということがよく取りざたされます。しかし、ここには外国人を前にすると遠慮してしまう日本人特有の性格も影響しています。

小学校の外国語活動は、小さい時から物おじせずにコミュニケーションを取ろうとする意欲や態度を育てたいという目的もあります。

また、「グローバル人材」を求める声が高まり、子どもたちが社会で英語を使って活躍できるようになるための英語学習が求められるようになりました。

 

英語が教科になると算数や国語と同じように教科書ができて成績がつきます。しかし、学校で英語を習うことで大切だとされるのは、これまで中学校や高校で重要視されてきた文法や長文読解などではありません。

 

小学校で習う英語は「自分でしっかり英語を使うために必要なスキル」を身につけることが目標です。

たとえば、東京都教育委員会では、2020年に東京五輪・パラリンピックが開催されることもあり、独自の英語教材「Welcome to Tokyo」を都内公立小学校の5年生以上の子ども全員に配布しています。

ここで目標になっているのは「①日本・東京の文化、歴史等の理解の促進、②英語によるコミュニケーション能力の伸長、③オリンピック・パラリンピックに向けた国際理解教育の推進」です。

 

グローバル化が叫ばれるなか、このようにして小学校でも英語を習うことの必要性が認識されてきているのが教育現場の現状だといえるでしょう。

 

■3、4年生にも外国語活動を導入

 

 

いまの「外国語活動」と教科としての英語の特徴は、「英語の音に慣れ親しむこと」「コミュニケーションに対する関心・意欲・態度を育てること」などが目標だということです。

そのため、主目的は英語を使うことに親しむこと。今後は小学5~6年生で英語が教科となるのにともない、現在何も行われていない3~4年生で「外国語活動」が導入されます。

5~6年生の発達段階にふさわしい文字の「読み・書き」に進む前に、3~4年生でも外国語活動が導入され、「聞く」「話す」の体験が与えられるようになるのです。

 

中学校や高校でも「英語で発表・討論・交渉などの活動を行う授業」へと変わる予定です。そして、大学では、入試で「4技能(聞く、話す、読む、書く)」を測ろうとしていることが大きな変化です。

現状の英語の大学入試問題は、「読む」力を問う比率が高いのですが、これからは4技能をバランスよく問う試験に変えていこうということです。

 

いまや当たり前になりつつある、自発的な学習をできるようにする「アクティブ・ラーニング」なども英語の学習には欠かせません。

言葉を発するのは自分自身で、なにをどう考えたのかの軌跡を自分でしっかり把握しておくことが、言語の学習には必要です。

自発的な学習は英語にも不可欠です。また、計画よりは遅れていますが、学校現場では電子黒板やタブレットなど、ICT機器の導入が進められ、デジタル化が進んでいます。

これからの子どもは、デジタルデバイスとは切っても切れない生活をすることは明らかで、これらをスムーズに家庭での学習にも取り入れていく必要があります。英語の復習にもタブレット学習をとりいれることは、その一つの可能性だといえます。

 

英語の教科化を含む教育改革は待ったなしですすめられており、さまざまなものが同時並行的に変わっていっている現在、それらをまとめて身に付けることができる教材が必要になってくると考えられます。

 

■中学校への連携がスムーズに

 

小学校だけでなく、中学校や高校の授業や大学入試でも英語は変わります。中学校では、すでに高校で実施されている、「英語で授業を行うことを基本とする」指導の方向性が発表されています。

ポイントは、先生が一方的に英語の単語や文法などの知識を伝達する授業から、生徒が自分自身で英語をしっかり使う授業にしていくこと。

小学校5~6年生で教科としての英語を導入することによって、小学校と中学校での学習のつながりがスムーズになるでしょう。

 

次期学習指導要領で、英語教育が変わる理由は、グローバル化が進んでいる現状に対し、今までの学校教育ではなかなか身につかなかった「使える英語力」を、小学校から大学入試までの一貫した英語教育で行うことが強く意識されるようになってきたことにあります。

小学5~6年生で英語を導入することにより、これまでよりも小・中で学ぶ内容の連携はよくなり、小・中・高できちんと英語の能力が積み上がっていくことが期待されます。

 

今後は地方の農家にでも海外と直接取引するなど、国内にいてもさまざまなグローバル化がどんどん進むことになるでしょう。どんな場合にも、ある程度使える英語力を、誰もが身につけられるように学校教育を変えていかねばなりません。

2020年の東京五輪・パラリンピックの開催に向けて、英語がより必要となりそうな現在、同じ年の教科書改訂での英語の変化が家庭での学習においても、いっそう重要になるはずです。

 

教科化になることで、英語学習に不安を持っている保護者のかたもいらっしゃるかもしれませんが、お子さまと一緒に楽しみつつ身に付けていけば、さほど心配なものではありません。ぜひ挑戦してみてください。